不審者に注意する、災害時の避難所を確認 ― 本当にそれだけでいざというときの備えになりますか。 (LISN No.197 危険、危機を考える) 

自然災害や犯罪の報道が繰り返される中で、子どもが被害者となる事故や事件が後を絶ちません。大人が子どもを守ることはもちろんですが、子ども自身が自分を守るために必要な知識や情報を適切な時期に与えて正しく活用できるように導くことも注目すべき課題となっています。また危機の中でも「公害」に関して、かつて個々の公害ごとにメッセージが伝えられることに留まるような傾向が見られた公害の学習は、「公害資料館ネットワーク」の活動により、被害者、加害者だけでなく学ぶ人や企業側など様々な視点からの学びへと変わってきているようです。

授業や図書館の展示、講習などでも関心の高いテーマですが、この度の特集を機に防災、防犯、そして公害に対するこれまでの考え方や伝え方を振り返っていただき、より効果的なこれまでと少し違った新たな発見につながりましたら幸いです。

公害資料館ネットワークパンフレット ©キハラ株式会社


特集では、犯罪社会学をご専門とされる小宮氏から「犯罪が成功しそうな雰囲気」―犯罪機会をなくすという犯罪機会論とその操作性の向上のために著者が考案された「犯罪抑止の3要素」について、大阪教育大学の藤田氏より「犯罪からの子どもの安全を目指したe-learningシステムの開発」事業とこれからの安全教育の方向性、そして地域コミュニティの安全安心についてご研究される松川氏より防災、防犯リテラシーなどをお届けします。またこれまでと違ったアプローチで「公害」についての学びを可能にする「公害資料館ネットワーク」や関連書籍、動画などを林氏よりご紹介いただきます。

設備事例紹介では、新屋氏より東洋大学赤羽台図書館について設計事務所との交渉や家具の選定など開設までのご苦労、また野口氏の連載「読書バリアフリーを進めるアイデアと工夫」(第2回)は、地域の諸機関との連携を通して読書バリアフリーを推進している、筑後市立図書館とオーテピア高知声と点字の図書館の事例についてです。

製品紹介 イオンブライト プラス ©キハラ株式会社

資料紹介は、学校図書館とICTを活用した学びの実現に必携の「確かめながら 学校図書館と1人1台端末 ひろがる!つながる!学校図書館」、製品紹介では、書籍だけでなく図書館家具などの洗浄、除菌消臭効果を持ち、長期保存も可能な洗浄剤「イオンブライトプラス」をお届けします。

LISN197号 (2023年9月)
特集 「危険、危機を考える」
小宮 信夫 (立正大学教授/社会学博士)
「クライシス・マネジメントの犯罪原因論とリスク・マネジメントの犯罪機会論」

藤田 大輔 (大阪教育大学 健康安全教育系 教授)
「子どもたちへの安全教育の考え方と進め方について」

松川 杏寧  (兵庫県立大学 減災復興政策研究所 准教授)
「防災/防犯リテラシー」の獲得とそのための「リスクコミュニケーション」

林 美帆 (公害資料館ネットワーク幹事/みずしま財団研究員) 
「公害経験とネットワークによる学び」

設備事例
新屋 良子(東洋大学附属図書館)
「東洋大学赤羽台図書館開設奮闘記」

連載 「読書バリアフリーを進めるアイデアと工夫」
野口 武悟(専修大学文学部 教授)
「第2回 連携で広げ、届ける読書バリアフリー」

資料紹介
「確かめながら 学校図書館と1人1台端末 ひろがる!つながる!学校図書館」

製品紹介
備蓄用としての長期保存も可能です。避難所などいざというときの洗浄、除菌、消臭にも。
「イオンブライト プラス」

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